2015年度
東京ガラス工芸研究所 研究科 卒業制作
H800×Φ370(mm)
制作期間:2015年9月~2016年1月
制作技法:宙吹き,バーナーワーク
2回目の卒業制作ということもあり、ずっと考え取り組んでみたかった「汚い物の美しさ」というテーマに自分なりに挑戦しました。 「人間の感情」は潜在的に負のものの方が多いと私は思っています。ですが、一般的に悪いもの・汚い感情とされているそれらを、私はときにとても美しいと感じることがあるのです。特に私が美しいと感じやすいのは、心の奥深くにある真の叫びや欲望、長い歳月をかけて昇華された哀しみや苦しみの思い出などでした。 これらを表現するために考えて生まれたのが、砂時計に似たこの形でした。下へ下へと深く沈んでいくほどに、感情や思い出の粒たちは澄んだ色になるのです。誰の心の中にでもある感情の器にもし形があったら、こんな形なのではないかと私は思います。